臨床知と徴候知 |
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知的創造の新しい方法論を探求する。現場にあって受動的に対象の声を聞こうとする臨床知の方法と、
やはり受動的ではあるが、対象の軽微な徴候を捉えて隠された本質に迫ろうとする徴候知の方法である。
本書の位置づけ
佐賀大学文化教育学部の複数研究者によって、統一のテーマを掘り下げようとしたシリーズの一冊です。
本書では上記の通り研究の方法論が統一のテーマになっていて、様々な分野の研究者が
各々の分野でテーマに沿った内容を展開しています。
本書の終わりには「知の現場力」をテーマにしたシンポジウムの記録を収録しています。
各章の担当者
序文 新しい知へ (後藤正英)
序論 人間の生の「知」-臨床知と徴候知 (後藤正英)
第一部 臨床の知から社会を読み解く
第1章 世界をリネームせよ!-名前のための"臨床的"闘争- (吉岡剛彦)
第2章 恋愛・結婚の臨床学-現代日本社会の「恋愛のカタチ」- (相原征代)
第3章 グローバルな政治空間の徴候診断-デモクラシーとコスモポリタニズムの葛藤- (高橋良輔)
第4章 「できないこと」の科学-科学的知識に向かう臨床知の方法- (中村 聡)
第二部 臨床/徴候の知から歴史を読み解く
第5章 歴史の徴候としての物質文化-考古学の立場から- (重藤輝行)
第6章 江戸時代の明楽受容に見る「徴候知」 (中尾友香梨)
第三部 臨床/徴候の知から文化を読み解く
第7章 ナサニエル・ホーソーン「徴候小説」 (鈴木 繁)
第8章 徴候学と幻想文学-あるいはいかにして化け物を描くのか- (相野 毅)
第9章 徴候と予表-聖書に表れるタブーの女たちが紡ぐ運命の赤い糸- (木原 誠)
第四部 シンポジウム「知の現場力とは何か」
・報告1 「臨床と現場」 (山口玲子)
・報告2 「ドイツ現代史研究から見た、知の現場力と社会実践」 (田村栄子)
・報告3 「現場で変わる対話の不可思議?:臨床コミュニケーション的思考のすすめ」 (池田光穂)
〈そこに居ないこと〉を噛みしめる-あとがきにかえて (吉岡剛彦)
第一部 第4章 「できないこと」の科学-科学的知識に向かう臨床知の方法 (担当部分) の目次
1 はじめに
2 エネルギーの生産
エネルギーの保存、エントロピー増大則、健全なエネルギー政策
3 未来の予測
測定誤差と非線形方程式、確率事象、情報伝達速度と未来予測
4 シェルターへの逃げ込み-まとめに代えて
注、参考文献
他の著書
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