研究室について           

環境・技術分野では3年の夏に研究室の所属を決めます。
その時点で卒業研究のテーマも仮決めしておきますが、正式決定は3年の冬です。
その間研究室の先生担当の「専門教育外国語II」があるのは、分野で共通です。

(進路) さて中村研究室の場合ですが、まず学生に希望する進路を聞きます。
進路によって就職活動の忙しい時期が変わってくるので、
卒業研究は忙しくない時期に合わせるように、大雑把な計画を立てます。
もちろんテーマによっては実験の季節が固定されるので、
そう言う場合は就職活動だけでは決められません。

多いのは公務員志望者で、公務員採用試験は初夏に国家公務員などから始まって、
秋に町役場などで終わりますが、公務員は倍率が高くて難しいのが現状です。
そこで民間も考える人が多いわけで、民間企業で一番重要な時期は3年の終わりの春休み。
実際にはもっと早く3年の秋から就職活動を始めて、春休みが正念場という意味です。

でもなかなか内定が取れなくて、4年の秋になってしまって、
「もう限界だから卒業研究に打ち込んで頂戴」って言う具合になってしまう人も多いです。
就職先に押し込むようなコネがないのは、学部の他の先生方と同じ。
応募書類とかの文案を持ってきたときは添削してあげています。
何回か添削してあげると、それからは自分で良い文章が書けるようになるみたいです。

    
          研究室で多良岳ハイキングに出かけた (2010)

(研究内容) 中村個人の研究内容に準じる部分も多いですが、
学生だからと言うテーマもあります。
つまり卒業研究にはなるけど、学会発表とかに出すほどではない研究です。
「軒下の塩類集積土壌」も最初はそう言うテーマでした。
と言うのも、測定してみるまでは予想が外れているかも知れなかったので。
測定してみたら予想通り。更に文献などを調べたら先に調べた人が居なくて、独自研究だった。
卒業研究した学生も興奮していました。

研究室所属を考える学生に重要なのは、授業内容と研究内容が一致しないこと
授業内容で研究内容を推測して貰うと、イメージが違うことになります。
そこで研究内容として思いつく内容をリストアップした両面印刷の紙を渡して、
それを見ながらやりたい研究があるか、考えて貰うようにしています。
そのため事前に訪ねて研究内容の紙を貰って置かないと、
研究室に来てから「考えていたのと違う」と言う事態になってしまう。要注意です。

(物理?) 良く「物理ですか?」と聞かれて困るのですが、学生の言う「物理」って、
どういうものなら「物理」だと言うことになるのでしょうか?
研究らしい内容の物理は卒業研究レベルでは、やりたくても難しいです。
それでは授業で聞くような物理はと言うと、今度はそれでは卒業研究のテーマになりません。
「自分が勉強した」では、その勉強内容がどんなに難しくても研究としてはだめで、
むしろ簡単な内容でも良いから、「何かを調べて、その結果が他人にとっても価値がある。
だから研究結果を広く公表する」と言う話の組み立てにする必要があります。
多分学生は授業の物理のイメージで「物理ですか?」と聞いているのだろうから、
それで「違うよ」と答えて良いものかどうか?

卒業研究は個人がテーマを持って、そのテーマを追究するものだから、
テーマに必要のある事なら、物理でも物理でなくても調べる。
その代わり時間はたっぷりあるから、自分のペースで調べれば良いわけです。
しかも指導教官の個人指導という助けもあるので、事前に知識を必要とすることもない。
そう言う態度で卒業研究に臨んで欲しく思います。
そのテーマが物理かどうか、だとか、物理とはそもそもどういうものか、
なんて、どうでも良いじゃないですか。大事なのは"真理"だけ!!


                                      研究室トップ